ABOUTFIND OUTについて

幼いころ、じいちゃん家に行くのが好きだった。

老夫婦が慎ましく暮らす家には子どもが喜ぶおもちゃも本もない。
ばあちゃんがつくるご飯はいつも煮染めみたいな野菜中心だし、
夕方はいつものアニメじゃなく、
畑から帰ってきたじいちゃんと相撲中継を見ないといけない。
半日もいれば退屈する。

高校生になり、大学生になり、
いろんな不満を抱えるような年頃になって、
それでもじいちゃん家にいけば上手に説明できないけどほっとする空気があった。

ここで紹介するヘリテイジ（遺産）たち...

日本の戦後復興の時代あるいはそれ以前に社会の主役級で役目を全うし、退いた後に佇む産業遺産。
さらにそれ以前、悠久の時を経てなお美しい自然の遺産。
それらのなかで、人々の日々の営みから生み出された生活の遺産。
どれもみな老いてはいるけれど、静かに穏やかに、だけど凜とした誇りのようなものをたたえている。

時を経たヘリテイジは穏やかな老人のようにいつでも迎えてくれる。
そして凜とした風格で静かに物語る。
そこにはほっとする優しさもあるし、なにか新しいインスピレーションもある。

見つけよう。
会いに行こう。
身近なヘリテイジへ。